コヘルツ論文セレクション 
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インターベンション

一施設でのDelayed sternal closureの経験

Özker E, Saritaş B, Vuran C, Yörüker U, Ulugöl H, Türköz R.

Delayed sternal closure after pediatric cardiac operations; single center experience: a retrospective study.

J Cardiothorac Surg. 2012 Oct 2;7:102. doi: 10.1186/1749-8090-7-102. PMID: 23031425; PMCID: PMC3514162.

背景

  • Delayed sternal closure (DSC)は、胸骨閉鎖による心臓の圧迫で血行動態が不安定となる患者で有効な手段である。
  • DSCを一つの方法として用いた施設での4年間の経験を解析。

要点

  • 単施設、後ろ向き研究、先天性心疾患術後DSCを施行された患者
  • DSCと関連する因子を単変量・多変量で解析。また、予後との関連も評価。
  • n=38。死亡率は34.2% (n=13)。52.6%が術後感染症を合併した。閉胸までの時間は、感染症併発と有意に関連。多変量解析でDSCと関連した因子は、単心室疾患のみ。

注意点・コメント

  • DSCを行なっている施設でのデータを元にしたdescriptiveな研究であり、そこまで大きなメッセージは導き出せない。
  • 例えば、結論で“Elective DSC does not reduce the morbidity”とあるが、DSCを行なった患者のみが本研究のinclusion criteriaである以上、その結論は導き出せない。
  • あえていうならば、開胸時間と感染症との関連性から、感染症という観点からはできる限り早期に閉胸した方がよい、ということ。
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木村聡
小児心臓麻酔や集中治療に関わる文献を、浅く、でも少しだけ掘り下げて紹介したいと思います。