Khot UN, Novaro GM, Popović ZB, Mills RM, Thomas JD, Tuzcu EM, Hammer D, Nissen SE, Francis GS.
Nitroprusside in critically ill patients with left ventricular dysfunction and aortic stenosis.
N Engl J Med. 2003 May 1;348(18):1756-63. doi: 10.1056/NEJMoa022021. PMID: 12724481.
背景
- 大動脈弁狭窄症があり左心機能が落ちている患者では、後負荷の低下によって代償的に一回拍出量を増加させることができず、致命的な血圧低下を招くと言われている。
- しかし、その学術的根拠は乏しい。
要点
- 単施設、前向き、大動脈弁狭窄症+左心不全(EF<=0.35、AVA<=1cm2、CI<=2.2L/min)
- 平均血圧60-70mmHgとなるようにnitroprussiddeを調節して投与。投与前、6時間後、24時間後の血行動態を比較
- n=25。平均年齢73歳。6・24時間後の心係数共にbaselineより有意に増加。
Figure 1

注意点・コメント
- 小児心臓ではないが、大動脈弁狭窄症の診断や、後負荷として収縮期血圧ではなく平均血圧を指標にしていることなど、そのinclusionにはかなり気を遣っている研究。
- EF<=30でAVA<=1.0に対してafterload reductionを考えるのは勇気がいることであるが、それはmythなのだという論文。
- あくまで投与前後の比較研究であり、投与群と非投与群で比較した研究ではないので注意が必要。すなわち、ICU入室後にその他の介入によりどちらにしろ血行動態が改善している可能性も否定できない。
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